いつものように、みんなで「いただきます」をし、子どもたちはお箸を持って昼食を食べ始めました。何分かした後、S君は何かを思い出したように、
「みんな~!ご飯最後までピカピカに食べんと目が潰れるけん、ちゃんと食べるんよ!!」
と、みんなに伝えまたご飯を食べ始め、S君は米粒一つ残さずに完食し、「美味しかった。」と満足そうな様子でした。私は、”目が潰れる”という意味が分からす、S君に、「目が潰れるって、誰に教えてもらったの?」と聞くと、「お母さんとばあば(祖母)がいっても教えてくれるんよ!」と言っていました。私はやはり、どうしても気になり、その日の連絡帳に、S君の出来事を書くと、次の日S君のお母さんから返事が返ってきました。
「我が家では、”米を残すと、目が潰れたらいかんけん、ちゃんと食べなさい。”と最後の一粒まで残さず食べるように教えています。私も昔から聞いていた言葉で、あまり深く考えた事がなかったのですが、目が潰れるといっても、”心の目が潰れるという事で、お米が作られるまでの全て(作ってくれた農家の方や太陽・水の恵み)に感謝する心の目、その物がどんな命を持っているか本質を見抜く心の窓が曇らないよう”という事だそうです。私も深い意味も知らず言っていたので、気になり、インターネットで調べてみました。昔の人の言葉には、深い意味があるんですね。」との事でした。
私も、幼い頃に、「お米は百人の神様がいる」という話は聞いた事があります。百人といっても、苗から稲になるまでの自然の恵みや、お百姓さんのご苦労などたくさんの思いが込められているという意味だと解釈しています。
私は、保育者として、子供さん達に食べる事の大切さや楽しさ、また食べる事のできる幸せ、感謝を伝えていく役割もあると思います。
今回S君のお母さんのお話を聞いて、改めて食育の重要さが分かりました。